や行 | 刑事弁護 用語集
や行の用語
- よ
- 余罪 [よざい]
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余罪とは,被疑者または被告人の犯した犯罪で,逮捕もしくは勾留の根拠となっている被疑事実または起訴された犯罪事実以外のものをいいます。
たとえば,窃盗罪で勾留中の被疑者について,捜査機関がまったく別の殺人事件の犯人でもあるのではないかとの疑いをもとに殺人事件についても捜査を開始した場合,この殺人事件のことを余罪といいます。
余罪を量刑に考慮することができるのかという点について,最高裁判所は,起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し,実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないとしています。ただし,刑事裁判における量刑は,被告人の性格,経歴および犯罪の動機,目的,方法等すべての事情を考慮して,裁判所が法定刑の範囲内で決定すべきものであるから,その量刑のための一情状として,いわゆる余罪をも考慮することは必ずしも禁じられないと判断しています。