は行 | 刑事弁護に関する用語集 | 逮捕・勾留など刑事事件の弁護士はアディーレ法律事務所

刑事弁護に関する用語集 は行

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罰金刑 [ばっきんけい]

罰金刑とは,刑罰の一種で,行為者から強制的に金銭を取り立てるものをいいます。個人だけでなく,会社などの法人に対しても科すことができます。

罰金刑は,国が個人や法人に対して科すものなので,個人や法人同士の間では,刑罰としての罰金を科すことはできません。

また,罰金を支払うことができない場合は,労役場に留置され,判決で決められた一日あたりの金額が罰金の総額に達するまでの日数の間,労務(封筒貼りなどの軽作業)に服することになります。労役場留置の期間は,1日以上2年以下です(罰金を併科した場合は3年以下)。

従来,窃盗罪については懲役刑のみが定められており,罰金刑は定められていませんでした。これは,窃盗はお金のない人が犯す傾向があり,窃盗犯にお金の支払いを命じる罰金刑を科しても現実的でないと考えられていたためです。

しかし,近年ではお金がある人でもスリルを味わうためだけに物を盗むといったことが多くあり,必ずしもお金のない人が窃盗をするというわけではありません。そういった状況に対処するため,平成18年に窃盗罪についても罰金刑が定められました。

実際に,108円のおにぎりを万引きした者に対して罰金20万円の支払いを命じる判決など,少額の窃盗に高額な罰金判決が出る事例が相次いでいます。

罰金と前科 [ばっきんとぜんか]

罰金を科す有罪判決が確定すると前科となります。一般的に,罰金刑は懲役刑や禁固刑に比べると軽い刑ですが,前科であることに変わりはありません。

前科には2つの意味があります。

ひとつ目の意味は,日常生活で使うところの前科です。罰金刑が科された場合,検察庁の管理する前科調書に記載され,この記載は本人が死亡するまで残ります。しかし,一般の方が前科調書を自由に閲覧できることはありませんし,前科が戸籍や住民票などに記載されることもありません。

2つ目の意味は,法律上の前科です。たとえば罰金刑の判決を受けた場合,何ら罪を犯すことなく執行猶予期間を過ごせば,罰金刑の言い渡しは効力を失うため,前科はなくなります。懲役刑により刑務所に収容された場合でも,刑期の満了から10年間,罰金以上の刑に処せられないで過ごせば,刑の言い渡しは効力を失うため,前科はなくなります。これにより,職業上の欠格事由としての前科には該当しないことになります

なお,略式手続により罰金の支払いを命じる略式命令がなされた場合も,罰金刑であることに変わりはないため,前科として残ることになります。

不起訴処分になれば前科は付きませんので,逮捕・勾留された場合には,早期に弁護活動を行うことが重要となります。

判決宣告 [はんけつせんこく]

裁判所が被告人に対し判決を言い渡すことを判決宣告といいます。

判決宣告では,裁判所により,被告人が有罪か無罪か,有罪の場合にはどのような刑罰を受けるのかが言い渡されます。裁判員裁判の場合,判決宣告には裁判員も立会い,裁判長から判決が宣告されることになります。この判決宣告により裁判員の任務は終了します。

なお,刑事裁判では,民事裁判とは異なり,必ずしも判決宣告の際に判決書が完成している必要はなく,宣告後に宣告した判決の内容を判決書にまとめられることもあります。

反対尋問 [はんたいじんもん]

反対尋問とは,裁判における証人尋問の際に,その証人を呼んだ当事者が尋問(これを主尋問といいます)した後に,相手方の当事者が行う尋問のことをいいます。

たとえば,弁護人が被告人の親族を証人として呼んだ場合,弁護人の尋問は主尋問にあたり,その後の検察官による親族への尋問は反対尋問にあたります。

反対尋問は主尋問での証人の証言の証明力を弱めるために行われます。被告人の親族が主尋問において「被告人が再び罪を犯さないように今後監督していくことは可能である」と証言した場合,検察官は反対尋問において,「被告人と親族の関係は良好なのか」「現実に監督できる距離に親族は住んでいるのか」といった事情を聞き出し,その証言が信用できるものなのかを確かめます。

なお,刑事裁判においては,原則として反対尋問を経ていない証拠は,証拠として認められないことになります。

被害者参加制度 [ひがいしゃさんかせいど]

被害者参加制度とは,一定の事件の被害者や遺族等が,裁判の期日に出席し,意見を述べたり,被告人への質問を行うなど,刑事裁判に参加できる制度のことをいいます。

刑事裁判への参加を許可された被害者や遺族等は被害者参加人と呼ばれます。被害者参加制度が適用される一定の事件とは,殺人罪や傷害罪,過失運転致死傷罪(旧:自動車運転過失致死傷罪),強制性交等罪,強制わいせつ罪などが挙げられます。被害者が亡くなった場合などは,その配偶者や直系の親族もしくは兄弟姉妹などが参加することができます。

実際に参加を希望する場合には,被害者や遺族等から事件を担当する検察官に申し出る必要があります。申出を受けた検察官は,被害者等が刑事裁判に参加することに対する意見を付して裁判所に通知します。裁判所は,犯罪の性質や被告人との関係その他の事情を考慮して参加が相当かどうかを判断します。相当と判断された場合,被害者等は被害者参加人として刑事裁判に参加することになります。

被害届 [ひがいとどけ]

被害届とは,犯罪の被害にあったと考える者が,被害事実を警察や検察などの捜査機関に申告することをいいます。

被害事実の申告だけでなく,犯人の処罰も求める場合には,被害届ではなく告訴をすることになります。告訴の場合,その受理により警察等は捜査を開始するのに対し,被害届の場合は,届け出があっても開始するかどうかは担当警察官もしくは担当課長の判断に左右されることになります。

このように,被害届は告訴とは異なり犯人の処罰をそれ自体では求めないものですが,虚偽の被害届を提出すると告訴と同様に刑法172条の定める虚偽告訴等の罪にあたる可能性があります。

被疑者 [ひぎしゃ]

被疑者とは,警察などの捜査機関によって罪を犯したとの疑いを受けて捜査の対象となっているが,まだ検察官により起訴されていない者をいいます。起訴された後は,その事件との関係では被疑者ではなく被告人と呼ばれるようになります。

被疑者は,捜査機関から犯罪の疑いをかけられ捜査の対象になっていますが,裁判において判決が確定するまで,法律上は無罪であるという推定が働いています。これを無罪推定の原則もしくは推定無罪といいます。しかし,現実にはマスコミ等の影響により被疑者とされた者は有罪であるという観念がまかり通っていることは否めず,これに基づく問題は後を絶ちません。

なお,一般的に被疑者というと逮捕されているイメージがありますが,逮捕や勾留がなされていなくても,犯罪の疑いをかけられ捜査の対象となっていれば被疑者にあたります。

ひき逃げ [ひきにげ]

交通事故を起こした運転者は,道路交通法上,被害者を救護すべき救護義務および道路における危険を防止する危険防止義務を負います。ひき逃げとは,自動車などを運転中に人身事故を起こした者が,このような義務を果たさずに現場から立ち去ることをいいます。

このように,ひき逃げは道路交通法に違反することになり,自動車だけでなく,バイクや自転車の場合であっても処罰されます。法定刑では,自動車やバイクの場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金であり,自転車の場合は1年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

また,交通事故があった場合,道路交通法上,運転者は警察官に事故の発生日時や場所,負傷者の状況等について報告する義務を負います。

ひき逃げ事件が発生した場合,警察は現場に残された自動車の塗装片やタイヤの痕跡等を調査して車種を特定し,被疑者を絞り込んでいきます。

被告人 [ひこくにん]

被告人とは,警察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ,検察官により起訴された者をいいます。

被告人は,捜査機関から犯罪の疑いをかけられ捜査の対象になっていますが,裁判において判決が確定するまで,法律上は無罪であるという推定が働いています。これを無罪推定の原則もしくは推定無罪といいます。

しかし,現実にはマスコミ等の影響により起訴され裁判にかけられた被告人は有罪であるという社会通念が一般的に存在することは否めず,これに基づく問題も多く生じています。なお,マスコミでは被告という用語が用いられますが,法律上は被告人というのが正式な名称です。

刑事裁判においては,被告人と,被告人の有罪を立証しようとする検察官とは対等の当事者です。しかし,現実的には,被告人と検察官の法的な攻撃能力,防御能力には大きな差があるため,それを補助することを目的に,被告人には弁護人を選任する権利が与えられています。つまり,弁護人が付くことではじめて,刑事裁判は適正な手続となるのです。

被告人質問 [ひこくにんしつもん]

被告人質問とは,刑事裁判において弁護人や検察官,裁判官から被告人に対して事件に関する事柄を質問する手続のことをいいます。

被告人質問は,事実に争いのある事件では,裁判官に直接自らの言い分を聞いてもらう機会になりますし,事実に争いのない事件でも,反省や謝罪の気持ちを話す機会になります。

事実に争いがない場合,被告人が事件について反省し,二度と同じ過ちを繰り返さない意思を持っているかどうかは,判決の量刑に影響する重要な事実となります。しかし,被告人が単に「反省しています」と述べるだけでは,被告人が何についてどのように反省しているのかが裁判官に伝わりません。

そのため,今回事件を起こしてしまった原因は何なのか,被害者に対してどのように思っているのか,今後どのようにすれば同様の事件を起こさないで済むのかといったことを考え,具体的に伝えていく必要があります。

被告人の供述調書(自白調書) [ひこくにんのきょうじゅつちょうしょ]

被告人は,警察等の捜査機関において取調べを受け,その供述を基に調書が作成されます。この供述調書は,取調べの際に警察や検察側で作成し,取調べを受けた者の署名指印をもって完成しますが,署名指印の前に,警察側は取調べを受けた者に対し調書を閲覧させたうえでその内容を読み聞かせます。そして,内容に問題がないようであれば署名指印を行うことになります。

この署名指印により,調書の内容に間違いはないということを本人自身が保証することになりますし,この調書は裁判において証拠として用いられる可能性があるため,署名指印は調書の内容に納得したうえで慎重に行う必要があります。

仮に,調書の内容に間違いがある場合,取調べを受けた者は取調官に対して,その訂正を求めたり,署名指印を拒否することができます。調書は裁判において重要な証拠として扱われますし,さしたる違いがないように見える表現であっても,細かいニュアンスや言い回しにより調書の内容の意味は大きく違ってきます。そのため,調書の内容に間違いがある場合には何度も訂正を求め,納得するまでは決して署名指印をしないことが重要となります。

このように,供述調書の作成には十分な注意を払い,事実とは異なる捜査機関にとって都合のよい調書を作らせないよう対応することが必要です。そのため,弁護人が被疑者・被告人と接見し,綿密なアドバイスをしていくことが大切なのです。

評決 [ひょうけつ]

裁判員裁判において,被告人に対する判決を決定する際には,裁判員と裁判官らが十分に話し合い,できる限り全員一致で決定できるように評議を尽くします。しかし,十分な評議を尽くしても全員の意見が一致しなかったときは,多数決により評決します。

この場合,被告人が有罪なのか無罪なのか,有罪の場合にはどのような刑(死刑判決や懲役刑,禁固刑など)を科すかについての意見は,裁判員と裁判官とでは対等に扱われます。

ただし,裁判員だけによる意見では,被告人にとって不利な判断(被告人が有罪か無罪かの評決の場面では,有罪の判断)をすることはできず,裁判官1名以上が多数意見に賛成していることが必要です。つまり,有罪か無罪かの判断でも,また判決の量刑についての判断でも,被告人に不利な判断する場合は,「過半数の意見であり,かつ,裁判員と裁判官の双方の意見を含んでいること」が必要となります。

通常,裁判員は6名,裁判官は3名のため,合計9名で評議をすることになり,5名以上で過半数となります。そして,被告人が犯人かどうかについて,5名の裁判員が犯人であるという意見を述べたのに対し,裁判員1名と裁判官3名が犯人ではないという意見を述べた場合には,被告人が犯人であるという意見が過半数となりますが,この意見には裁判官が1名も賛成していません。そのため,この場合は被告人にとっての不利な判断,つまり,被告人は犯人であるという判断をすることはできず,被告人は無罪になります。

不起訴 [ふきそ]

不起訴とは,検察官の判断により,被疑者を裁判にかけるための起訴をしない処分のことをいいます。つまり,不起訴になれば裁判にはかけられません。

不起訴になるにはいくつかの場合があります。

まず,被疑者を裁判にかけるための前提条件を欠く場合です。たとえば,被疑者が死亡したときや,時効が完成した場合などが挙げられます。

つぎに,疑いをかけられている事実が犯罪を構成しない場合です。たとえば,被疑者が14歳に満たないとき(刑法上14歳未満には刑事責任を問うことができません)や犯罪行為の時点で被疑者が心神喪失であった場合(刑法上心神喪失者の行為は罰せられません)が挙げられます。

また,被疑者がまったくの人違いであることが明らかになった場合など,犯罪の疑いがない場合にも不起訴となります。

ほかにも,捜査を尽くしたものの,被疑者の有罪を立証する証拠が不十分な場合など,犯罪の疑いが不十分な場合にも不起訴となります。

また,捜査により集めた証拠によれば被疑者が犯罪を行ったことは明らかであるものの,被疑者の性格・年齢および境遇,犯罪の重さや犯罪後の状況により,被疑者を起訴して裁判にかける必要はないと判断される場合は,検察官の判断により起訴を猶予して不起訴となる場合があります。

そのため,弁護人は被害者との示談交渉を積極的に行うことにより,起訴する必要性がないことを検察官に示し,不起訴処分を獲得するための弁護活動を行います。

なお,勾留などにより身柄を拘束されている場合,不起訴になると身柄は釈放されます。

不起訴と無罪 [ふきそとむざい]

起訴がなされると,被疑者は刑事裁判にかけられることになります。被疑者を起訴するか不起訴にするかを決める権限は検察官にあります。いっぽう,被告人が無罪であると判断するのは裁判所です。

検察官により不起訴の処分がなされた場合には,そもそも裁判にならないため,裁判所により無罪の判断がなされることはありません。

これに対し,裁判所が無罪と判断する場合,前提として被疑者に対する起訴がなされ,裁判にかけられたということを意味します。

不作為犯 [ふさくいはん]

不作為犯とは,不作為(なにもしないこと)によって実現される犯罪のことをいいます。たとえば,退去の要求を受けたにもかかわらず他人の自宅から立ち去らないことで成立する「不退去罪」や,子どもに必要な食事を与えない場合などに成立する「不保護罪」が挙げられます。

しかし,親が子どもに食事を与えない場合のみならず,その親子と同じマンションに住み事情を知っている住民についてまでなにもしなかったとして不作為犯が成立することにしてしまうと妥当ではありませんし,これでは処罰される対象者の範囲が不明確になってしまいます。

そこで,不作為犯が成立するためには,前提としてその者に(1)作為義務があることが必要になります。たとえば,親は子どもを扶養する義務を負うので必要な食事等を与える作為義務を負いますし,保育園の保育士は契約により園児を保護すべき義務を負うので,園児が危険な状態にある場合にはその状況を傍観せずに保護すべき作為義務が認められます。

また,法律は人に不可能なことを要求するものではないので,不作為犯が成立するためには,(2)作為の可能性があることも必要になります。たとえば,子どもが川でおぼれている場合,その親が一切泳げないのであれば,親が川に飛び込んで子どもを助けるという作為の可能性はないため,犯罪は成立しません。

不法残留(オーバーステイ) [ふほうざんりゅう]

正規のパスポートやビザなどを持って適法に日本に入国したとしても,ビザの有効期間を超えて外国人が滞在することは出入国管理法で禁止されています。この状態を不法残留(オーバーステイ)といいます。

不法残留により摘発されると,多くの場合,その外国人が国籍を有する国に強制送還されることになります。不法残留の期間が長期間に渡るなど悪質なケースの場合は,起訴により刑事裁判にかけられ,懲役刑を言い渡されることもあります。

別件逮捕 [べっけんたいほ]

別件逮捕とは,ある被疑者につき,本件について逮捕の要件を備えていない状況で,その取調べを目的として,逮捕の要件を備えている別件で逮捕することをいいます。

たとえば,ある被疑者について殺人罪(本件)の疑いがかけられているものの,逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれといった逮捕の要件を備えていない場合,逮捕の要件を備えている窃盗罪(別件)で被疑者を逮捕し,殺人罪(本件)について取調べを行う場合などがこれにあたります。

しかし,取調官の意図が本件の取調べにあるかは,心の内の問題であり,容易には知りえないため,本件と別件の犯罪としての重さの比較や,両事件の関連性の有無,逮捕後に本件取調べに要した時間などを考慮して別件逮捕にあたるかどうかが判断されることになります。

なお,別件逮捕であると判断された場合,その逮捕や逮捕後の取調べは違法になる可能性があります。そのため,被疑者・被告人の身柄拘束が別件逮捕に相当しないかどうかを監視することも重要な弁護活動になります。

弁論 [べんろん]

刑事裁判において,証拠調べが終了した後,被告人に対して最終的にどういった処分がなされるのが妥当なのかといった点について,検察官や弁護人が自らの主張を行うのが弁論です。

検察側は多くの場合,被告人の犯した行為の悪質性や生じた被害の程度について指摘し,被告人に対する厳罰を求めます。そして,最後に被告人をどれだけの刑に処するべきかについて意見を述べます。これを求刑といいます。

その後,弁護人による弁論が行われますが,被告人が事実を争っているかどうかで弁論の内容は変わってきます。被告人が事実を争い無実を主張しているのであれば,検察側の立証が不十分であることなどを主張して無罪判決を求めます。これに対し,事実を争わず罪を認めている場合,罪を犯してしまった経緯に酌むべき事情があるのであればそのような被告人にとって有利な事情を主張し,執行猶予付き判決などの寛大な判決を求めることになります。

冒頭陳述 [ぼうとうちんじゅつ]

刑事裁判において,証拠調べを行う冒頭に,検察官がこれから取り調べる証拠に基づいて証明しようとする事実を述べます。これを冒頭陳述といいます。

冒頭陳述では,被告人の経歴や犯行に至る経緯,犯行の動機,事件当日の行動,実行した犯罪の内容,犯行後の状況などが検察官により述べられます。

冒頭陳述により,検察側が考えている事件のストーリーが明らかとなるため,その後弁護側は,これに応じて必要な防御をしたり,弁護側が考えているストーリーとの矛盾を,証拠に基づいて説得的に主張していくことになります。

冒頭手続 [ぼうとうてつづき]

冒頭手続とは,刑事裁判における第一回目の公判で最初に行われる手続のことをいいます。

具体的には,まず,裁判官による人定質問が行われます。これは,検察官が起訴した被告人と実際に出廷した者とが同一人物かどうか確かめるためのものです。つぎに,検察官による起訴状朗読が行われます。その後,裁判官から被告人への黙秘権等の権利告知がなされ,最後に裁判官より検察官が読み上げた起訴状に間違いがないかどうかを尋ねられ,意見を述べる(これを罪状認否といいます)ことになります。この意見は被告人のみならず,弁護人も述べることになります。

冒頭手続終了後,証拠調べ手続が開始されます。

保護観察 [ほごかんさつ]

保護観察とは,少年事件において家庭裁判所によりなされる保護処分の一種で,少年自身の努力によって社会の中で改善更生を図るものです。

保護処分には,保護観察のほかに,児童自立支援施設送致や児童養護施設送致,少年院送致などがありますが,これらの処分とは異なり,保護観察の場合には自宅に帰ることができます。

ただし,保護観察の場合,真面目に学校に通うなど生活をしていくうえで守らなければならない事項が決められ,定期的(月に数回程度)に保護観察所へ通ったり,保護司に会って最近の生活態度や自らが犯した事件について考えたことを伝えたり,指定された事項を守っているかについて質問を受けたりする必要があります。

保護観察中に問題行動が目立つ場合には,改めて家庭裁判所の審判により少年院送致等の処分がなされる可能性もあります。保護観察は概ね1年以上継続されることが一般的です。

保護観察付執行猶予 [ほごかんさつつきしっこうゆうよ]

保護観察付執行猶予とは,一般の刑事事件において,被告人の家族や会社などに被告人を今後監督するのに適切な人物が見当たらない場合や,社会の中で被告人を自力更生させるには若干の不安が残る場合に,保護司(地域の篤志家から選ばれ,被告人の改善更生の手助けをする者)の監督に委ねる旨の条件を付けて言い渡す執行猶予のことをいいます。

この場合,執行猶予期間中は定期的に保護司に近況報告をし,その指示にしたがった生活をしなければなりません。この条件に違反した場合には,執行猶予が取り消される可能性があります。

また,執行猶予判決である以上,その期間内に再び罪を犯してしまえば執行猶予が取り消され,刑務所に収容される可能性もあります。

保護司 [ほごし]

保護司とは,犯罪や非行に陥った人の更生を手助けする,民間から選ばれた非常勤の国家公務員のことをいいます。

保護司は,保護観察所の保護観察官とともに,保護観察対象者と面接して生活状況を調査したり,保護観察中に守らなければならない遵守事項を守るように指導を行ったり,生活相談を受けるといった,対象者の社会復帰への手助けをする役割を担っています。

保護司は,地域で特に信望があり,時間の融通がききやすい人物の中から選ばれる傾向にあります。保護司の任期は5年で,全国に約5万人の保護司がいます。

保釈 [ほしゃく]

保釈とは,住居の限定や保証金を納めることを条件として,勾留されている被告人の身柄の拘束を解くことをいいます。

保釈には,(1)権利保釈,(2)裁量保釈,(3)義務的保釈という3種類があります。

まず,(1)権利保釈とは,以下の6点のすべてに該当しない場合に権利として認められる保釈のことをいいます。

  • (a)死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき
  • (b) 前に死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役もしくは禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたとき
  • (c) 常習として長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき
  • (d) 罪証隠滅のおそれがあるとき
  • (e) 被害者その他事件関係者もしくはその親族に危害を加えたり,畏怖させたりするおそれがあるとき
  • (g)氏名または住居がわからないとき

つぎに,(2)裁量保釈とは,上記の6点に該当する事情がある場合でも,さまざまな事情を考慮して保釈が相当であると裁判所が判断した場合に認められるものです。

また,(3)義務的保釈とは,勾留による身柄の拘束が不当に長くなった場合に裁判所が認める保釈のことをいいます。

いずれの保釈の場合にも,裁判所からの出頭命令には応じることといった条件が付けられますが,被告人が条件に違反して逃亡したり,証拠の隠滅をした場合には保釈は取り消され,保証金は没収されることになります。

弁護人としては,まず,(1)の権利保釈を検討します。6点の除外事由に該当していなければ,保釈の請求が認められる権利があるからです。

しかし,実務上は(d)の「罪証隠滅のおそれがあるとき」という理由によって,保釈がなかなか認められないという現状があります。

そのため,被告人を保釈したとしても,逃亡したり,証拠を隠滅するおそれがないということを丁寧に主張していく必要があります。

仮に,6点の除外事由に該当してしまった場合には,(2)の裁量保釈について,保釈の必要性などを裁判所に請求・主張していきます。

なお,条件に違反することなく裁判を迎え,判決が確定すれば,有罪判決,無罪判決を問わず保証金は返還されることになります。

保釈支援 [ほしゃくしえん]

保釈が認められるためには,裁判所から指定された額の保釈保証金を納める必要があります。これは,被告人の逃亡や証拠隠滅を防ぐためのものであり,仮に逃亡などした場合,保釈保証金は没収されます。

このように,現在の保釈制度では,被告人に心理的・経済的なプレッシャーを与えることにより被告人の出頭などを確保しようとしています。

保釈保証金の額は,多くの場合,150万円から300万円の範囲で決定されます。保釈支援とは,そのような保釈保証金の準備ができない場合に,被告人の家族へ保釈保証金の立て替えを行ったり,保釈手続に関する助言や相談を受けることをいいます。

なお,保釈保証金を立て替える民間の団体もありますが,それを利用する場合は別途手数料がかかることになります。

保釈条件 [ほしゃくじょうけん]

保釈条件とは,保釈が認められる際に裁判所から付される条件のことをいいます。

具体的には,住所を定めて出頭には必ず応じることや,親族や友人を身元引受人とすること,事件に関係する証拠の隠滅を図らないようにすることなどが挙げられます。

そして,この条件を守らせるために,裁判所は,保釈を認める場合には保釈保証金の納付を求め,仮に条件に違反した場合には保釈を取り消したり,保釈保証金の全部または一部を没収します。

いっぽう,保釈条件の違反がなければ,保釈保証金は全額返還されることになります。通常は,判決日の翌日から1週間程度で返還されます。

保釈請求 [ほしゃくせいきゅう]

保釈請求とは,勾留されている被告人の身体の解放を求めることをいいます。

保釈請求では,被告人が逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれといった勾留の要件を充たさないことなどを主張していくことになります。なお,保釈を請求できるのは,勾留されている被告人や弁護人,法定代理人,保佐人,配偶者,直系の親族,兄弟姉妹などです。

保釈請求を却下する判断に対しては,準抗告により不服を申し立てることができます。

保釈保証金 [ほしゃくほしょうきん]

保釈が認められるためには,裁判所から指定された額の保釈保証金を納める必要があります。裁判所は,犯罪の性質や被告人の資産を考慮して,被告人の出頭を保証するのに過不足ない額を算出します。大抵は保釈される被告人の逃亡のおそれがないような額が設定され,多くの場合,150万円から300万円の範囲で決定されます。

保釈を認める際,裁判所は保釈に条件を付けます。たとえば,住所を定めて出頭には必ず応じることや,親族や友人を身元引受人とすること,事件に関係する証拠の隠滅を図らないようにすることなどが挙げられます。

そして,この条件を守らせるために,裁判所は,保釈を認める場合には保釈保証金の納付を求め,仮に条件に違反した場合には保釈保証金の全部または一部を没収します。

いっぽう,保釈条件の違反がなければ,保釈保証金は全額返還されることになります。通常は,判決日の翌日から1週間程度で返還されます。

保釈保証金没収 [ほしゃくほしょうきんぼっしゅう]

保釈を認めるにあたり,裁判所は保釈に条件を付けます。これを保釈条件といいます。

たとえば,住所を定めて出頭には必ず応じることや,親族や友人を身元引受人とすること,事件に関係する証拠の隠滅を図らないようにすることなどが挙げられます。

そして,この条件を守らせるために,裁判所は保釈を認める場合には保釈保証金の納付を求め,仮に条件に違反した場合には保釈保証金の全部または一部を没収します。

このように,現在の保釈制度は,被告人に心理的・経済的なプレッシャーを与えることにより被告人の出頭などを確保しようとしています。

没収 [ぼっしゅう]

没収とは,犯罪に関係ある物の所有権を国に移す刑罰のことをいいます。

没収の対象物となるのは,大きく分けて,(1)犯罪組成物件,(2)犯罪供用物件,(3)犯罪生成物件,(4)犯罪取得物件,(5)犯罪報酬物件,(6)対価物件の6つです。

まず,(1)犯罪組成物件は,犯罪行為を組成した物をさし,凶器準備集合罪における「凶器」や偽造文書行使罪における「偽造文書」などがこれにあたります。

つぎに,(2)犯罪供用物件は,犯罪行為のために使用,または使用しようとした物をさし,傷害罪や殺人罪の手段として使われたナイフなどの「凶器」や,文書偽造罪の文書作成に用いられた「印章」などがこれにあたります。

(3)犯罪生成物件は,犯罪行為によって生じた物をさし,文書偽造罪における「偽造文書」や通貨偽造罪における「偽造通貨」などがこれにあたります。

(4)犯罪取得物件は,犯罪によって取得した物をさし,賭博罪における賭博で得られた金銭や窃盗罪により得た金品などがこれにあたります。

(5)犯罪報酬物件は,犯罪の報酬として得た物をさし,誘拐を依頼され実現した報酬として得た金銭や殺人犯をかくまうことにより得た金銭などがこれにあたります。

(6)対価物件は,(3)(4)(5)の対価として得た物をさし,窃盗罪により得た盗品を売却した利益などがこれにあたります。それに対し,(1)(2)の対価は没収の対象にはなりません。

なお,没収は懲役刑や禁錮刑などの主たる刑(これを主刑といいます)に付加してなされるため付加刑にあたり,主刑から独立してこの刑だけを単独で科すことはできません。

ポリグラフ検査 [ぽりぐらふけんさ]

ポリグラフ検査とは,犯罪捜査において利用される手法のひとつで,被疑者にあらかじめ用意した一定の質問を行い,これに対する反応のうち,脈拍や呼吸,発汗などの生理的変化をポリグラフという機械で記録,分析することにより,被疑者の供述に関する真偽の判断を行う検査のことをいいます。ポリグラフは俗に「うそ発見器」とも呼ばれます。

この検査は,人間がうそをつくと,情動の混乱が生じ,脈拍のリズムが速くなったり,汗をかくなどのさまざまな生理的変化が現れることを応用しています。

ポリグラフ検査の結果が裁判の証拠としてどこまでの証明力を有するかは,事案ごとの裁判所の判断によります。ただし,ポリグラフ検査の結果のみで有罪とされた例はありません。

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